性病ごとの症状と治療法 

梅毒

梅毒は、昔から非常に危険視されてきた性病です。
梅毒トレポネーマという細菌が原因で、試験管培養のできない細菌なので感染の仕組みなどは判明していません。
15世紀ごろから梅毒に苦しめられてきましたが、日本ほか先進国では薬学の研究が非常に進んで、早期治療であれば死亡に至ることは少なくなりました。

梅毒の症状

かつては死に至る病気だった梅毒は、感染すると赤い発疹を体中に発します。
梅毒検査で陽性が出るのには、梅毒に感染してから6週間以上の期間が必要です。
それまでに、梅毒トレポネーマが侵入した個所には、慢性下疳と言われる腫れができます。
これも性病予防法で指定されている性病のひとつで、膿は出るものの痛みがない腫れものなので、かつては放置する人も多かったのでしょう。
この時点で治療を開始すれば早い段階で完治します。

梅毒の治療法

梅毒の名前の由来になった、赤い発疹(バラ疹)は、慢性下疳が出て、梅毒検査で陽性が出てから更に経過した後。
感染から3カ月以上かかります。発疹は手足や顔に現れ、治療しなくても1か月できれいになくなります。
ただし抗生物質を投与しなければ梅毒は治りません。発疹が消えると無症状になり、また、感染もしません。
感染から3年以上経って、ゴムのような、弾力のある腫瘍ができると治療は不可能です。
最後には臓器や脳にまで細菌が至り、神経性麻痺を起して死亡します。
もちろん、ここまで放置されることは現在の日本では殆どありえません(今後、医療費の高騰とともに治療を放置する例も起こってくるかもしれませんが)。
治療には2週間から2か月かかります。
発疹が出たとき治療を受けに行けば必ず治りますが、妊婦が感染していた場合には、生まれてきた新生児もあらためて梅毒の治療を行います。