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多系統変性症(Multiple system degeneration)の臨床病理

 多系統萎縮症という言葉はGrahamとOppenheimerにより多系統に変性を示す疾患に用いられたが,現在ではoligodendrogliaに特徴的な嗜銀性構造物の出現を認める非遺伝性の疾患に限って使用されるようになっている。他の多系統に変性や萎縮を示す疾患は多系統に変性を示す疾患ーMultiple systemic degenerationーとして区別されねばならない。ここでは厳密な意味での多系統萎縮症(Multisystem atrophy)についてのみ付言する。

多系統萎縮症とは

 多系統萎縮症は以前には異なる疾患と考えられていた下記の3つの疾患を包括した疾患単位である。1。臨床的には著明な小脳失調症で特徴づけられるオリーブ橋小脳萎縮症

2。自律神経失調症で発症するShy-Drager症候群